Saturday 29 Mar, 2008

友だち幻想/菅野仁

FriendsInReverie..jpgサブタイトル 〜人と人の<つながり>を考える〜

昨年10月、「ジンメル・つながりの哲学」という本に出会い、著者・菅野仁さんからは大きな刺激を受けたDaddyである。
今度は新書を読んでみた。

本書は人と人の精神的な距離感について、いろいろと考察が記されている。中高校生向きに丁寧で分かり易い言葉を選んで書かれており、また、ご近所とのお付き合いや、学校、というような身近な生活での例えも多いため、大変スムースに読むことができた。
友達って??と思ってしまう方、人付き合いに不安を持つ方、あるいはこれで疲れてしまう方は、一読の価値ありだろう。人生のちょっとしたヒントになり得ると思う。MyWifeにも勧めてみようか。
子供たちにはもうちょっと大きくなったら、と思ったりもするが、その前にDaddyがすべて伝えてしまうだろう。もちろんDaddy流の解釈も加えてだが。

さて本書の【目次】から気になるフレーズを抜粋してみよう。
・一人でも生きていける社会だからこそ <つながり> が難しい
・二種類の人と人とのつながり
・「見知らぬ他者」と「身近な他者」
・なぜいない人の悪口を言うのか
・メール即レス
・大人になるということ
・恋愛こそ幻想を持ちやすい
・言葉を得なければ、世界も自分もとらえられない

これらの語群からイメージの欠けらも浮かばない人は、是非本書をお勧めしたい。ちょっと大人になれると思う。
20080327_PostIt.JPG目次からでもこれだけ抽出できるのだ。本文に至っては気になるところばかりで「付箋だらけ」になってしまったのだが、全体を通して何ともどんよりとした空気を感じずにはいられなかった。

著者は社会学の専門家であるから、大いなる思考の結果をできるだけ「簡素」に記したであろうことは容易に推測できるのだが、視点をやや狭め過ぎた感じがしないでもない。人のつながり「距離感」にフォーカスしているので致し方ないのかもしれないが、結局曇り空のままで巻末にまで至ってしまった感がある。
人のコミュニケーションによる広がり、つながりから生まれる未来の変化といった指向性、指南などがあれば、新たなる領域へ若干の光明を見出せた気もするのだが。
何てこと言ってると「甘ったれるなっ!」と言われそうだが・・・

Daddy流に別視点からも考えてみよう。
人と人のつながりは幅広いものである。親、兄弟、ただの知り合い、同窓生、趣味仲間、親友、恋人、夫婦、喧嘩相手、遊び相手、飲み屋のマスター、友達の友だち、話し相手、職場の同僚、等々いくらでも出てくる。しかし、これらの人をあるカテゴリ毎に分けるなんてことは無意味だし、どの人とはどのくらいの距離感で、なんて考えるのも無駄だろう。
親密度は時間(場所?)、経験(思い出)、価値観等、それぞれの共有度合いで変わってくるし、さらに、お互いの見かけ(年齢)、気候、体調等のタイミングでも心理的変化はあるだろうから、他者との距離感はリアルタイムに変化しているはずである。

いろんな人と話をして瞬時に距離感を掴めるようになるには、それなりの経験(訓練)が必要だと思う。Daddyの場合は「独り飲み」がこれに当たる。まだまだ修行は足りないが・・・
全く知らない人(ほとんどが年配の方)と会話するのは刺激的である。時々「この人大物・・・」と感じることもあり、後からお店の人に誰だったのか確認してみることもあるのだが、そんな人は社会の中でそれなりのポジションに就かれていることが多い。こういう時は、飲み代なんか安いものだと感じる。

話がズレてきたがDaddyが思うに、閉鎖的な空間しか見えてない人ほど、ネチネチした関係が多いように思う。近所、学校、職場、どこでも似たようなことはある。本来そんなところに身を置かなければ良いのだが、そうせざるを得ないこともある。特に学校のクラスってのは「異質者」を浮かび上がらせるような、よろしくない空間になりがちだ。いわゆるイジメ問題である。子供たちには人事異動も退職もない。転校なんて大変なことなのである。教育問題を述べだしたら際限がなくなるが・・・

「異質」と「個性」、陽と陰、実と虚、すべては表裏一体。
バランス感覚が大切なのである。

話を本書に戻して、
特に気に入ったセンテンスを抜き出して締めておこう。

『価値観が百パーセント共有できるのだとしたら、それはもはや他者ではありません。自分そのものか、自分の<分身>か何かです。』

Daddy的には、これが一番のミソだと思う。
=== ☆   posted by Daddyクワトロ   ☆ =   at 17:13   ==
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友だち幻想―人と人の〈つながり〉を考える
Excerpt: 友だち幻想―人と人の〈つながり〉を考えるキーワード:  菅野仁、友だち、人間関係、距離感、親近感社会学者による、友だちという人間関係の常識を1度見直してみよう試みの本。以下のような内容となっている。..
Weblog: Type5w4のBook Diary
Tracked: 2008-04-19 00:32